税理士と中小企業診断士のダブルライセンスのメリット5つ
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安価な会計ソフトの普及、生成AIの発展、インターネット上での税務知識の浸透など、税理士の仕事を取り巻く環境はこの10年ほどで激変しました。
士業が将来のリスクに備えるには、ダブルライセンスの取得による業務拡大が1つの打ち手になります。
この記事では、税理士との相性が良いと言われる中小企業診断士について解説します。
- 税理士と中小企業診断士のダブルライセンスのメリット
- 税理士にとっての中小企業診断士試験の難易度
ダブルライセンスを目指す方、すでにどちらかの資格を取っている方はぜひ最後まで読んでください。
中小企業診断士試験に効率よく合格する勉強法を知りたい方は、本記事を読んだ後に以下の記事も読んでいただけると理解が深まるかと思います。
![](https://rainbow-smec.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/eyecatch_method-300x158.png)
税理士と中小企業診断士のダブルライセンスのメリット5つ
税理士と中小企業診断士のダブルライセンスには、以下5つのメリットがあります。
- サービスの拡大
- 希少価値の発揮
- 経営者からの信頼向上
- 転職活動で有利になる
- 人脈の拡大
それぞれくわしく解説します。
①サービスの拡大
税理士が中小企業診断士を持てば、税務相談や税務顧問を入口として、コンサルティング案件の獲得を見込めます。
コンサルティング業は創造性が強く、AIに代替されづらい仕事と言われます。コンサルティング業への進出はリスクヘッジになります。
中小企業診断士が提供するサービスについては、中小企業診断士の仕事内容10選もあわせてご覧ください。
②希少価値の発揮
税理士と中小企業診断士のダブルライセンスには希少価値があります。税務の専門知識を持つ中小企業診断士は非常に少ないからです。
一般社団法人中小企業診断協会が公表している『中小企業診断士活動状況アンケート』によると、税理士を持っている中小企業診断士は3.1%しかいません。
![中小企業診断士のうち、税理士を持っている人は3%ほどしかいない。](https://rainbow-smec.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/image_010.jpg)
税理士ホルダーはそれだけで差別化できます。
③経営者からの信頼向上
2020年度小規模企業白書(中小企業庁)によると、経営者の日常の相談相手は税理士・公認会計士が最多です。
![経営者の日常の相談相手。最も多いのは税理士・公認会計士。](https://rainbow-smec.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/image_020.png)
税理士の下には「同業種の経営者仲間」「経営陣、従業員」など経営の知見を持つ人が挙がっています。
税理士が中小企業診断士を持てば、経営全般の相談も一手に引き受けられるため、より信頼が厚くなると考えられます。
④転職活動で有利
中小企業診断士は、単体では転職活動に強みを発揮しづらい資格です。具体的な専門領域が相手に伝わりづらいからです。
しかし税理士+中小企業診断士のダブルライセンスは、専門の税務に加えて企業経営の知見をあわせ持つことをアピールでき、転職市場での価値が高まります。
⑤人脈の拡大
中小企業診断士は横のつながりが強い資格です。たとえば地域ごとの中小企業診断協会に加入すると、分野別の勉強会などで他の中小企業診断士と情報交換ができます。
税理士コミュニティとは異なる人脈を作りたい方にも、ダブルライセンスはおすすめです。
税理士にとっての中小企業診断士試験の難易度
税理士にとって、中小企業診断士は取り組みやすい試験です。その理由は以下3つです。
①勉強時間が少ない
税理士の合格に3,000時間以上の勉強が必要と言われる一方、中小企業診断士の勉強時間は多くても1,000時間です。
ただし中小企業診断士は働きながら勉強することになるので、スキマ時間の活用など、時間を捻出する工夫が必要です。
②税理士試験と内容が重複している
税理士の必須科目「簿記論」「財務諸表論」と、中小企業診断士の一部科目は学習範囲が重複しています。
中小企業診断士試験の全体像と、税理士との重複範囲を図示します。
![税理士と中小企業診断士の重複範囲を示した図。一次試験の「財務・会計」と二次試験の「事例Ⅳ」は税理士試験と内容が重複している。](https://rainbow-smec.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/image_021.png)
一次試験の「財務・会計」および二次試験の「事例Ⅳ(財務・会計)」で税理士試験で学んだ知識を活かせます。
もちろん組織・人事、マーケティングなど他分野の知識も求められる点には注意しましょう。
③一次試験の「財務・会計」を免除可能
税理士試験合格者は、事前に申請することで、一次試験の「財務・会計」の受験を免除できます。勉強時間を短縮したい人は免除制度を活用すると良いでしょう。
ただし免除した科目は「60点」扱いになります。少し勉強してそれ以上の点数を取れそうなら、あえて免除しないのも一案です。
中小企業診断士が税理士を目指すメリット
中小企業診断士保持者が税理士を目指すメリットは、収入面が大きいでしょう。
厚生労働省の『令和5年賃金構造基本統計調査』によると、税理士の平均年収は約922万円※です。
※企業規模1,000人以上、公認会計士・税理士の区分における「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」として算出。
中小企業診断士の年収のボリュームゾーンが500万円~800万円と言われるため、税理士を取得すれば仕事の拡大にあわせて収入増も見込めるでしょう。
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税理士と中小企業診断士に関するまとめ
今回は税理士が中小企業診断士を取るメリットなどを解説しました。税理士と中小企業診断士の仕事はシナジーが大きく、ダブルライセンスを検討する価値は十分にあります。
以下の記事で、中小企業診断士の勉強法をくわしく解説しています。ぜひご覧ください。
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