中小企業診断士は何ができる?仕事内容10選【取り方も解説】

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中小企業診断士の取得を目指すにあたっては、中小企業診断士の仕事内容・業務内容を知っておくことが重要です。

この記事では、中小企業診断士の私が、中小企業診断士の仕事のついてくわしく解説します。記事の後半では仕事の取り方も話します。

記事を読めば、中小企業診断士の働き方が具体的にイメージでき、勉強のやる気も高まります。ぜひ最後までご覧ください。

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執筆
花月 諒(かげつ りょう)
経済産業大臣登録 中小企業診断士

通信講座と独自の二次試験解法を組み合わせた勉強法で、中小企業診断士に約200時間で合格。2023年、二次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。

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目次

中小企業診断士の仕事内容|全体像

中小企業診断士の仕事の全体像。主にコンサルティング業、講師業、執筆業の3つがある。
中小企業診断士の仕事の全体像

まず全体像を話します。中小企業診断士の仕事は、大きく3つあります。

  • コンサルティング業
  • 講師業
  • 執筆業

それぞれをくわしく解説します。

コンサルティング業

顧客の経営課題を解決する仕事です。中小企業診断士の仕事と聞いて、最もイメージしやすい仕事でしょう。

コンサルティング業は、仕事の取り方(公的機関からの紹介案件/民間企業との直接契約)や、仕事の長さ(長期案件/短期・スポット案件)で細かく分類できます。

中小企業診断士はコンサルティング業を通じて、顧客の業界や、担当した業務領域(例:人事/マーケティング/物流等)の知見を得ます。

講師業

コンサルティング業で得た知見を活かして、セミナーや勉強会で話をする仕事です。企業向けの研修を行う人もいます。

執筆業

コンサルティング業で得た知見を、書籍やブログにまとめて発信する仕事です。特に商業出版は、業界内での権威性や信頼性を高める効果があります。

中小企業診断士の仕事|コンサルティング業

中小企業診断士の仕事。ここからはコンサルティング業をくわしく解説します。

ここからは具体的な仕事を10個紹介します。まずはコンサルティング業の仕事から話します。

①経営コンサルティング

民間企業と契約し、コンサルティングサービスを提供します。以下の流れで仕事を進めます。

STEP
ヒアリング

民間企業の経営者や経営企画部門の責任者と会話し、経営上の問題点や課題を明らかにします。

STEP
提案

課題の解決策(仮説)を整理し、提案書を作成します。この段階でプロジェクトの期間や工数、コンサルティング料を見積もります。コンペが行われることもあります。

STEP
契約

クライアントとの合意が取れたら、コンサルティング契約を締結します。

STEP
サービスの提供

提案内容にそってコンサルティングを行います。

プロジェクト終了後は、同じクライアントに対して後続のフェーズを提案したり、ノウハウを別のクライアントへの提案に活用したりして仕事を広げます。

コンサルティングの対象とする業界や業務領域は、自分が好きなものを選べます。この自由度の高さが、中小企業診断士の仕事の魅力です。

たとえば私はWebマーケティング(Webサイト、SNS、YouTubeなどを活用した集客、売上向上支援)のコンサルティングを行っています。

②経営顧問

民間企業と顧問契約を締結し、経営者からの相談に対応します。

顧問先が増えれば収入が安定しますが、他の士業と比べると中小企業診断士の顧問契約は目に見える価値を提供しづらく、契約を切られるリスクがあるのが難点です。

一般社団法人中小企業診断協会が発表している『中小企業診断士活動状況アンケート調査』によると、民間企業から受け取る顧問料の平均は月16万円程度ですが、同じ地域の他士業の顧問料に影響されやすい点には注意しましょう。

【参考】中小企業診断士活動状況アンケート調査(一般社団法人中小企業診断協会)

③補助金申請支援

中小企業向けの補助金申請をサポートする仕事です。申請書や添付資料の作成を行います。補助金が採択された場合、採択金額の一部を報酬として受け取ることが多いです。(成果報酬型)

④専門家派遣

商工会議所などに専門家として登録し、会員企業に派遣されてコンサルティングを行います。

自分で営業しなくてもクライアントが見つかる点は良いですが、専門家として登録を受けるには、その領域の高度な資格や長い実務経験が必要です。

⑤窓口相談

商工会議所などの相談員になり、企業の経営者などから持ちこまれる相談に対応します。

相談自体の報酬は安めですが、窓口でつながった企業からコンサルティング案件や顧問契約を獲得できることも多いです。

中小企業診断士の仕事|講師業

中小企業診断士の仕事。ここからは講師業をくわしく解説します。

続いて講師業の具体例を紹介します。

⑥セミナー講師

企業経営に関するセミナーや勉強会を開き、コンサルティングで得た知見や成功事例を話します。

中小企業診断協会や商工会に加入すると、そこが主催するイベントの講師の仕事を紹介してもらえることがあります。

⑦企業向け研修講師

民間企業に対し、マネジメント研修、ITスキル研修、新入社員研修などを行います。人事部門に自ら営業して獲得するケース、プラットフォームに登録して仕事を探すケースがあります。

⑧予備校講師

中小企業診断士の予備校で、一次試験の対策講義や二次試験の添削指導を行います。

時期によりますが、大手の予備校が求人を出しています。中小企業診断士に合格したばかりの方でもできる仕事なので、興味があれば挑戦してみましょう。

中小企業診断士の仕事|執筆業

中小企業診断士の仕事。ここからは執筆業をくわしく解説します。

最後に執筆業の例を紹介します。

⑨書籍出版

コンサルティング業などで得た知見を、本にまとめて出版します。商業出版に成功すれば、業界での権威や信頼が向上します。

印税で稼ぐというより「本を出せるレベルの人なんだ」と印象づける効果が大きいです。

商業出版にこぎつけるのが難しい場合でも、自費出版やAmazonの電子書籍なら誰でも販売できます。

⑩Web媒体での情報発信

YouTube、ブログ、SNSなどで、自分の知見を発信します。読者や視聴者が増えてくると、広告収入も得られますし、アウトプットの練習になる点も良いです。

中小企業診断士の仕事の取り方5つ

中小企業診断士の仕事は以下の手段で獲得します。

  • 知人からの紹介
  • 公的機関や協会からの紹介
  • プラットフォームに登録
  • 自力で営業
  • ネットで集客

それぞれの集客方法について紹介します。

知人からの紹介

知り合いの経営者や他の士業の友人からお仕事の依頼をいただきます。私は紹介による顧客獲得が最もおすすめします。

なぜなら、間に紹介者をはさむことで顧客の安心・信頼がある状態で仕事をスタートできるからです。私も最近は紹介案件が中心です。

公的機関や協会からの紹介

商工会議所などの公的機関や、お住まいの地域の中小企業診断協会に加入し、仕事を紹介していただきます。

自力の営業が不要な点は楽ですが、先輩診断士の単なる下請け仕事にはならないように気をつけましょう。

プラットフォームに登録

コンサルティングの仕事を仲介するプラットフォームに登録し、仕事を探します。アクシスコンサルティングなどが有名です。

月100万円以上の案件も多く、高い報酬を得られる反面、コンサルファーム出身者も多く利用しているため、競争は激しいです。

自力で営業

企業のWebサイトの問い合わせフォームや電話で営業します。飛びこみ営業での成約はかなり難しいですが、何も行動しないよりはずっとマシです。

ネットで集客

YouTube、SNS、ブログで露出を増やして集客します。広告を使えば簡単に露出を増やせますが、広告を見てやってくる顧客はあまり質が良くないです。

Webメディアの伸ばし方を本で勉強し、地道にコンテンツを作るのが王道です。

中小企業診断士に独占業務はない

中小企業診断士には独占業務がありません。独占業務とは、その資格を持っている人だけに許される業務のことです。

たとえば税理士には「税務の代理」「税務書類の作成」「税務相談」などの独占業務があります。

中小企業診断士にはそうした業務がないため、自分で仕事を作る行動力が求められます。

独占業務がないことはデメリットとして語られることが多いのです。しかし視点を変えると、独占業務の枠組みにとらわれず仕事ができる自由さがあるとも言えます。

中小企業診断士の仕事まとめ

この記事では、中小企業診断士の仕事について解説しました。中小企業診断士は仕事の幅が広く、自分が得意なこと、好きなことを仕事にしやすい点が強みです。

独立して自由な働き方、生き方を実現したい人にはおすすめできる資格です。

この記事を書いた人

中小企業診断士。一橋大学を卒業後、鉄道会社、コンサルティング会社で勤務。2020年、約200時間の勉強で中小企業診断士試験に一発合格。2023年に中小企業診断士2次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。短時間で試験に合格する勉強法、マインドを発信します。

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