中小企業診断士を取れば就活で無双できる?大学生が目指すメリットを解説【インタビューあり】
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中小企業診断士は、企業の経営に関する助言・診断を行う「経営コンサルタント」唯一の国家資格です。
ビジネスパーソンの間で人気が高い資格ですが、大学生で合格する方も少数ですがいらっしゃいます。
この記事では、中小企業診断士の二次試験対策に特化した個別指導塾を運営する私が「大学生が中小企業診断士を取るメリット」を解説します。
- 大学生が中小企業診断士を取るメリット
- 中小企業診断士は就活に活きるか?
- 大学生に合った勉強法
記事の後半では、大学生の間に中小企業診断士の勉強に取り組んだ方へのインタビューもお届けします。ぜひ最後まで読んでください。
中小企業診断士試験に効率よく合格する勉強法を知りたい方は、本記事を読んだ後に以下の記事も読んでいただけると理解が深まるかと思います。
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大学生が中小企業診断士を目指すメリット
大学生が中小企業診断士を目指すメリットとして、以下3つが挙げられます。
- 就職活動での希少価値が高まる
- 独立・開業の道を作れる
- 二次試験は大学生が有利に戦える
就職活動での希少価値が高まる
学生の間に中小企業診断士に合格する方は非常に少ないです。たとえば2023年度の二次試験では、合格者1,555名のうち学生はわずか28名(構成比1.8%)でした。
そのため、中小企業診断士を持っているだけで希少価値が生まれます。
独立・開業の道を作れる
学生のころに憧れていた企業に就職できても、その中で希望する仕事ができるとは限りません。
また大企業になるほど「昭和的な文化」が色濃く残っており、残業や飲み会でプライベートが侵食される可能性も高まります。
「会社員生活が思っていたものと違った・・・」という事態に出くわしたとき、我慢して働くしか選択肢が無い状態は、精神的に望ましくありません。
中小企業診断士は独立・開業を前提とした資格。大学生の間に取っておけば、いざというときに行き方を変えるきっかけになります。
二次試験は大学生が有利に戦える
中小企業診断士には、一次試験(マークシート式7科目)と二次試験(記述式4科目)があります。
特に難しいと言われるのが二次試験ですが、実は二次試験は大学生に有利な作りをしています。実際の問題を抜粋した下図を見てください。
![中小企業診断士二次試験の問題例。企業の経営状況を説明した文章(与件文)を読み、設問に答える形式で行われる。](https://rainbow-smec.co.jp/wp-content/uploads/2024/03/image_003.jpg)
二次試験は、企業の経営状況などを説明した文章(与件文)を読み、設問に文章で答える形式です。大学入試の国語に似ています。
ビジネスの経験が無い大学生は突破できないのでは?と感じるかもしれませんが、実際はその逆です。二次試験に経験や専門知識は不要で、純粋に文章に書かれた事実を読み取る力を測っています。
実際、大学生の合格率は15~20%程度と、全体平均(約18%)と比べても悪くありません。
大学生が中小企業診断士を取れば就活で無双できるか?
前述のとおり、大学生の間に中小企業診断士を取れば大変な希少価値になります。
しかし就職活動で無双できるというほどの評価は得られないでしょう。
企業の採用面接では、学生の個性・強みと企業が求める人物像の整合を確認しており、資格は参考材料の1つに過ぎないからです。
特にコンサルティング業界への新卒就活では、ほぼ意味を成しません。コンサル志望の学生の方は、以下のような専門書で対策を学ぶと良いでしょう。
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大学生から中小企業診断士の勉強に取り組んだ方へのインタビュー
ここからは大学生のころから中小企業診断士の勉強に取りくんだ経験をもつ、長友翔さんへのインタビューをお届けします。
(花月)長友さんが中小企業診断士を取ろうと思ったきっかけは何ですか?
(長友さん)子どものころから、経営コンサルタントという職業はしっていました。自分の頭脳1つで企業の課題を解決する姿がカッコいいなと思って。中小企業診断士を取れば自分の理想像に近づけるんじゃないかと感じたことが勉強をはじめたきっかけですね。
(花月)素敵なきっかけですね。大学生で中小企業診断士を目指す人は珍しいと思いますが、どのように勉強しましたか?
(長友さん)最初の年だけスタディング(当時は『通勤講座』)で勉強して基礎を固めましたが、2年目以降は独学でもいけるって思って、TACのスピードテキストで勉強しました。1次試験は3年かけて合格しました。
(花月)大学生活を試験勉強にささげる情熱、すごいです。試験勉強で大変だったことは何ですか?
(長友さん)最初は大学受験と資格試験のちがいを理解してなくて苦労しました。大学受験は教科書を覚える勉強。でも中小企業診断士は過去問演習でアウトプットすることが大事。そのちがいをもっと早く知りたかった。また、4年生のころは就活と並行したので大変でしたね。
(花月)何か工夫していた勉強法はありますか?
(長友さん)自分が間違えたポイントをボイスメモに録音して、移動中に聴いてました。ノートは取らない主義でして。就活と並行してた時期は1か月で猛烈につめこんで「中小企業経営・政策」「経営法務」の2科目に受かりました(笑)
(花月)1か月で暗記系の2科目に受かるんですね!(笑)孤独感はありませんでしたか?大学生で中小企業診断士を勉強している人ってほとんどいないでしょうし…
(長友さん)大学の会計学の先生がサポートしてくれました。「財務・会計」を計算ドリルのように解法だけ勉強してた僕に、会計の原理をていねいに教えてくれたんです。
(花月)先生の応援があったのはありがたいですね。ところで、中小企業診断士に受かった1番のメリットって何でしょう?
(長友さん)社会に出てからの仕事の理解がスムーズに進んだことですね。仕事で管理会計に触れる機会があるんですけど、中小企業診断士の知識がすごく役立ってます。また、部課長や役員レベルの会話も何となく理解できるのも勉強の成果ですね。就職活動よりもむしろ入社後に良さを実感しました。
(花月)中小企業診断士としての今後の目標を教えてください。
(長友さん)マーケティングの専門家を目指しています。僕は地元の鹿児島で働いていますが、鹿児島ってマーケティングが苦手な土地なんですよ。お茶とか畜産とか魅力はたくさんあるのにブランドが磨ききれていないというか。中小企業によりそって、マーケティングの観点から地元を盛りあげられるコンサルタントになりたいですね。
(花月)同じ鹿児島出身として頭が下がります。最後に中小企業診断士を目指す大学生にエールをお願いします!
(長友さん)中小企業診断士は大学生でも手が届く資格です。ただし月100時間の勉強が半年~数年は続くので覚悟と自己管理能力が必要です。また、ほかにやりたいことが見つかったら無理に固執せず勉強をやめるのもありかと。勉強が好きな人は、メリットも大きいのでぜひがんばって目指してください!
(花月)おいそがしい中、インタビューに応じていただきありがとうございました。
長友さんとお話しして感じたのは、地元への貢献意欲と視座の高さ。とても社会人2年目の方(※インタビュー当時)とは思えませんでした。
中小企業診断士に受かった事実だけでなく、勉強で得た思考力や忍耐力もその後の人生に役立つということが伝わってくるインタビューでした。
大学生が中小企業診断士を取るメリットのまとめ
今回は大学生が中小企業診断士を取るメリットをお話ししました。最後に、大学生が中小企業診断士を取るメリットを再掲します。
- 就職活動での希少価値が高まる
- 独立・開業の道を作れる
- 二次試験は大学生が有利に戦える
合格までは大変な道のりですが、挑戦する価値はあります。
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