【永久保存版】中小企業診断士に200時間で独学合格した勉強法を完全公開

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中小企業診断士試験に合格するには、約1,000時間の勉強が必要と言われています。しかし忙しい社会人が1,000時間を確保するのは大変です。できるなら短時間で合格したいと考える方が多いでしょう。

私もそのように考え、様々な工夫を取り入れて勉強した結果、約200時間で中小企業診断士試験に合格できました

この記事ではそんな私の勉強法を公開します。

本記事で紹介する勉強法は、企業経営の専門誌『月刊 企業診断(同友館)』の連載企画「伝説の合格者たち」でも取材されました。

『月刊企業診断』の連載企画「伝説の合格者たち」で紹介された記事の画像
月刊企業診断「伝説の合格者たち」で紹介されました

ぜひブックマークして、何度も読み返していただけるとうれしいです。それでは始めます。

執筆
花月 諒(かげつ りょう)
経済産業大臣登録 中小企業診断士

通信講座と独自の二次試験解法を組み合わせた勉強法で、中小企業診断士に約200時間で合格。2023年、二次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。

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目次

中小企業診断士に200時間で独学合格した勉強法【7つの手順で解説】

私が200時間で中小企業診断士に合格した手順を7つに整理しました。

  • 試験に挑む目的を考える
  • 一次試験の概要を知る
  • 一次試験の教材を選ぶ
  • 一次試験の勉強をする
  • 二次試験の概要を知る
  • 二次試験の教材を選ぶ
  • 二次試験の勉強をする

それぞれくわしく解説します。ご自身の勉強の進捗を踏まえ、役に立ちそうな部分から読んでください。

勉強の手順①試験に挑む目的を考える

勉強を始める前に、なぜ自分が中小企業診断士試験に挑むのかを考えます。ここが漠然としていると、勉強のやる気を維持できないからです。

私の場合は「資格を活かして独立し、仕事の内容・場所・時間の自由を手に入れるため」でした。

昇進、転職、独立。理由は何でも良いです。自分なりの納得感を持って勉強を始めましょう。

勉強の手順②一次試験の概要を知る

まずは一次試験に合格する必要があります。一次試験の概要は以下です。

形式マークシート式
科目数7科目(700点満点)
合格基準以下の両方を満たす
・420点(60%)以上
・40点未満の科目なし
合格率約30%
一次試験の概要

一次試験は大学入学共通テスト(センター試験)のようなマークシート式です。

合格基準が60%と低いのが特徴です。得意科目で苦手科目をカバーしつつ、全体で60%以上を取る試験と解釈しました。

勉強の手順③一次試験の教材を選ぶ

一次試験の概要をつかんだら、教材を選びます。まずは大きく以下の3つの選択肢のうち、どれがベストかを考えました。

  • 市販の参考書
  • 予備校への通学
  • 通信講座

私は通信講座を選びました。安価でプロの講義が受けられる点場所や時間の制約なく勉強できる点を評価しました。

次に通信講座の中でどれを選ぶかを考えました。これはすぐに結論が出て、通信講座のスタディングに決めました。機能やUIが突出して優れています。実際に体験すれば必ずわかります。

勉強の手順④一次試験の勉強をする

教材を決めたら、いよいよ一次試験の勉強に入ります。

1年分の過去問を解く

スタディングで勉強を始める前に、まず直近の一次試験を1年分解きました。使ったのは同友館の過去問題集です。

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何も勉強していない状態で、一次試験を1年分解く。これが私が最も工夫したところであり、短時間合格を実現した要因です。

実際に私が一次試験を初めて解いた結果がこちら。

科目点数
経済学・経済政策44点
財務・会計60点
企業経営理論32点
運営管理30点
経営法務32点
経営情報システム24点
中小企業経営・中小企業政策28点
合計250点
一次試験演習(初見)の結果

新卒から5年間、財務部門で働いていた経験が活きて「財務・会計」は合格点が取れました。それ以外の科目は壊滅的です。合計は250点で、合格まで170点も足りません。

しかしそれでいいのです。合格まで何点足りないかはどうでもよく、それを早期に認識しておくことが大切です。

予備知識を持つ科目が1つもなくても大丈夫。やれば分かりますが、初見でも200点くらいは解けます。一次試験は4択か5択のマークシート式だからです。

「あと何点取ればいいのか」が分かると、それが何点であってもゴールが明確になり、勉強に取り組みやすくなります

スタディングのカリキュラムに沿って勉強する

一次試験を1回解いてゴールを確認したところで、スタディングを使った勉強に入ります。といってもやることはシンプルで、スタディングのカリキュラム(学習フロー)に沿って勉強するだけです。

学習スケジュールは自作の表で管理しましたが、今はスタディングに「AI学習プラン」という機能があり、AIがスケジュールを作ってくれます

スタディングでの学習効果を高めるために、私は以下の点に気をつけました。

スタディングで勉強する際の注意点は、①覚えない②ノートを取らない③動画を等速で見ないの3つ。
スタディングで勉強する際の注意点

それぞれ簡潔に説明します。

注意点①覚えない

講義の内容を覚えようとしてはいけません。講義を見る学習(インプット学習)よりも、実際に問題を解く学習(アウトプット学習)の方が記憶が定着しやすいからです。

注意点②ノートを取らない

スタディングはスマホ1台で合格できるように設計されています。「書かないと覚えない」という思いこみを捨て、ノートは取らないようにしましょう。その時間はアウトプット学習に充てるべきです。

注意点③等速で見ない

中小企業診断士講座を担当する綾部講師(KIYOラーニングの社長です)は、とてもゆっくり話します。講義動画は1.5倍~2.0倍で視聴しましょう。また予備知識がある論点はそもそも飛ばしてOKです。全部の動画を見る必要はありません

以上に気をつけて、暇さえあればスタディングのアプリを立ち上げて勉強しました。一次試験対策でやったのはそれだけです。

なお「財務・会計」のみ、同友館の『過去問完全マスター』を買って、別途演習しました。財務・会計は計算問題が中心で、演習量が点数に比例するからです。

一次試験にかけた時間は125時間。想定より短い時間で成果を出せました。

一次試験は絶対評価の試験なので、勉強を続けさえすれば遅かれ早かれ受かります。

勉強の手順⑤二次試験の概要を知る

自己採点で一次試験に合格していそうだと分かると、その日から二次試験対策を始めました。二次試験の概要は以下です。

形式記述式
科目数4科目(400点満点)
合格基準以下の両方を満たす
・240点(60%)以上
・40点未満の科目なし
合格率約18%
二次試験の概要

二次試験は出題形式が独特です。企業の経営状況を説明した文章(与件文)を読み、設問に文章で答えます。

中小企業診断士二次試験の問題例。企業の経営状況を説明した文章(与件文)を読み、設問に答える形式で行われる。
二次試験の問題

合格率は毎年18%前後です。合格基準は一次試験同様に絶対評価ですが、実質的には相対評価の試験と考えて良いでしょう。

Google Chart Tools サンプル
年度受験者数合格者数合格率
20238,2411,55518.9%
20228,7121,62518.7%
20218,7571,60018.3%
20206,3881,17418.4%
20195,9541,08818.3%
二次試験の合格率推移(2019-2023)

試験の独特さや、実質的に相対評価である点を踏まえ、ポイントを押さえれば短時間で受かる試験だと判断しました。

勉強の手順⑥二次試験の教材を選ぶ

試験の概要を押さえたら、教材を選びます。

私は一次試験と同様にスタディングを使うつもりでしたが、スタディングの解法はやや分かりづらい印象でした。

そこで市販のテキストを参考にしつつ、自分で解法を考えることにしました。そろえたテキストは以下です。

  • ふぞろいな合格答案
  • 合格者の頭の中にあった全知識
  • 合格者の頭の中にあった全ノウハウ
  • 事例Ⅳ(財務・会計)の全知識・全ノウハウ

それぞれがどのような教材か、簡潔に紹介します。

ふぞろいな合格答案

過去問の採点基準と再現答案が載っています。これなして二次試験対策はできません。自分が解きたい過去問の年数分、揃えましょう。

ただしラインナップが分かりづらいのと、解説に癖があるのが難点です。くわしくはふぞろいな合格答案の活用法を参考にしてください。

合格者の頭の中にあった全知識

二次試験で使う基礎知識を整理した本です。二次試験は与件文に書かれた事実をもとに回答する問題が大半ですが、中には基礎知識を動員しないと解けない設問もあります。

合格者の頭の中にあった全ノウハウ

こちらは二次試験の解き方を整理した本です。本記事で紹介した以外の解法も色々知りたい、という方は買いましょう。

事例Ⅳ(財務・会計)の全知識・全ノウハウ

事例Ⅳで出題される計算問題を分野別に整理した問題集。合格には必須の1冊です。

事例Ⅳは、最初に分野別問題集で「経営分析」「損益分岐点分析」を固め、それから年度別の過去問を通しで解くのがおすすめです。

【参考】事例Ⅳ(財務・会計)の勉強法

勉強の手順⑦二次試験の勉強をする

教材がそろったら二次試験対策に入ります。具体的には以下を行います。

  • 解法を決める
  • 学習計画を立てる
  • 問題用紙・解答用紙を印刷する
  • 演習する
  • 復習&ファイナルペーパー作成

解法を決める

二次試験には正解が無く、様々な解法が存在します。予備校のWebサイトや参考書で紹介されている解法を見比べて、自分に合いそうな解法を探します。

前述の通り、私は自分で解法を考えることにしました。5時間ほど考えて作った解法が、当塾の「レインボー式解法」の原型になりました。

中小企業診断士二次試験のレインボー式解法。文章の型を作る、答えを探す、合体するの3手順で問題を解きます。
レインボー式解法

シンプルさは業界でも一番と自負しています。コンサルティングの仕事にも通じる話ですが、小難しい理屈をこねて頭が良いフリをするのは自己満足に過ぎません。

設問の意図を理解し、採点者に伝わる解答を書く。二次試験はそれだけで良いのです。

学習計画を立てる

タスクを分解し時間配分を考えます。私は以下のようにしました。

解法の検討5時間
事例Ⅳの分野別演習10時間
過去問演習60時間
合計75時間
二次試験の学習計画

過去問演習は1つ2時間(回答80分+復習40分)とし、計30事例を解くことにしました。内訳は以下です。

事例Ⅰ5事例
事例Ⅱ5事例
事例Ⅲ5事例
事例Ⅳ15事例
合計30事例
二次試験の科目別演習数

事例Ⅳ(財務・会計)は計算問題が多く、演習量が点数に直結すると聞いたので、たくさん解くことにしました。その他の事例は5年分×1周のみです。

演習数を決めたら、日ベースの学習計画を作成します。計画表のテンプレートを配布しているので参考にしてください。

二次試験用学習計画テンプレート(Excel)

問題用紙・解答用紙を印刷する

計画を立てたら、問題用紙・解答用紙を印刷します。用紙のPDFデータは当塾の問題用紙・解答用紙配布ページで入手できます。

PDFファイルをダウンロードしたら、コンビニやキンコーズで印刷しましょう。以下の印刷設定にすると本番と同じになります。

・問題用紙:B4小冊子(できあがりはB5)
・解答用紙:A3(横向き)

演習する

問題用紙・解答用紙を準備したら、学習計画にしたがって演習を進めます。

必ず本番と同じ80分で解いてください。それより長い時間をかけてもダメですし、朝40分+夜40分のように分割するのもNGです。なるべく本番と同じ形式にしなければ、演習の意味がありません。

復習&ファイナルペーパー作成

回答後、40分で復習します。「ふぞろいな合格答案」で自分の答案を採点し、設問ごとに改善点を考えます。改善点は演習の都度、ファイナルペーパーにまとめておくと、後で楽になります。

ファイナルペーパーのイメージ。演習で気づいた改善点を設問ごとに整理する。
改善点のまとめ方(例)

中小企業診断士に200時間で独学合格した勉強法|成功するマインド

短時間で成果を出すにはマインドも重要です。本当に大切なことを3つだけ伝えます。

①ゴールから逆算する

資格試験の勉強は、ゴール(合格)から逆算して考えましょう。私が試験に挑む目的を最初に確認したのも、一次試験の勉強でまず過去問1年分を解いたのも、逆算思考的なアプローチです。

逆算思考を解説した図。最初に合格水準と現状の差を把握し、そこから逆算して日々の勉強に取り組む。

「逆算思考」の対義語は「積み上げ思考」です。とりあえず目の前のタスク(勉強)をこなして、それから考えるというアプローチ。これでは何時間あれば合格できるのか、いつまでも分かりません

合格基準と現状の差を確認し、それを埋める勉強だけを行いましょう。特に一次試験では、すべての論点を完ぺきに仕上げるのではなく、出題頻度が高く、比較的要因論点に注力する考えも大切です。

中小企業診断士の勉強は、出題頻度が高く、比較的容易な論点に注力する。
注力すべき論点

中小企業診断士の一次試験は60%解ければ合格です。逆に言えば40%は落としてもOKです。よく理解できない論点は出題頻度を調べ、頻度が低ければ捨てましょう。

②時間を大切にする

日常生活を見直しムダな時間を削りましょう。たとえば以下のような時間です。

削るべき時間削る方法
残業・断る
・仕事術を学ぶ
家事・家電に投資
・家事代行
移動・職場近くに引っ越す
・家から近い会社に転職
・独立
人づき合い・生産性の低い飲み会を断る
・LINEの友だちを整理する
メディア視聴・テレビを捨てる
・SNSのアカウントを消す
ムダな時間の例と削り方

時間を大切にする意識を持てば、同じ時間でも勉強の密度がグンと高まります。

③まず行動する

百聞は一見に如かずです。机上で色々と調べるより、実際に勉強を始める方が何倍も気づきがあります。本記事で勉強法を学んだら、まずその日に行動してください

『今は忙しいから、落ち着いてから頑張ろう』という思考の人は、一生頑張りません。明日も1か月後も1年後も、そのタイミングにあわせた「やらない言い訳」を考えるだけです。

私と同じ勉強法を実践したい方は、スタディングの無料体験講座を受けてください。30秒で登録できます。

中小企業診断士に200時間で独学合格した勉強法|よくある質問と回答

ここからは累計30万回以上読まれた(前身のブログを含む)本記事について、読者の皆さまから寄せられた質問とその回答を紹介します。

一次試験は半年でも合格できますか?

できます。くわしくは中小企業診断士一次試験に半年で合格する方法を読んでください。

※その他の質問は順次追記します。

中小企業診断士に200時間で独学合格した勉強法|まとめ

今回は私が200時間で中小企業診断士に合格した勉強法を解説しました。最後に要点を整理します。

一次試験対策
  • 最初に過去問を1年分解く
  • 教材はスタディングを使う

これが合格の最短ルートです。一次試験対策をこれから始める方は、一度はスタディングを試してみてください。

二次試験対策
  • 『ふぞろいな合格答案』などの参考書をそろえる
  • 自分に合う解法を探す。見つからなければ、自分で解法を考える
  • 過去問を演習する。事例Ⅳは分野別問題集で「経営分析」「損益分岐点分析」を固めてから、通しで解く

解法を自分で考えるのが難しい方は、添削を受けるのも一案です。勉強時間を大幅に短縮できます。当塾でも添削指導を行っています。興味がある方はメルマガ講座を受講してください。

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この記事を書いた人

中小企業診断士。一橋大学を卒業後、鉄道会社、コンサルティング会社で勤務。2020年、約200時間の勉強で中小企業診断士試験に一発合格。2023年に中小企業診断士2次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。短時間で試験に合格する勉強法、マインドを発信します。

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