MBAと中小企業診断士は何が違う?ダブルライセンスのメリットも解説

  • URLをコピーしました!

MBAと中小企業診断士は、どちらも経営の知識を幅広く学べます。どのような点に違いがあるのか、よく分からない方も多いでしょう。

この記事ではMBAと中小企業診断士を様々なポイントで比較します。

この記事で分かること

・MBAと中小企業診断士の共通点
・MBAと中小企業診断士の違い
・ダブルライセンスの意味

自分のキャリアに役立てるため、どちらを取得するか悩んでいる方は、ぜひ最後まで記事を読んでください。

中小企業診断士試験に効率よく合格する勉強法を知りたい方は、本記事を読んだ後に以下の記事も読んでいただけると理解が深まるかと思います。

執筆
花月 諒(かげつ りょう)
経済産業大臣登録 中小企業診断士

通信講座と独自の二次試験解法を組み合わせた勉強法で、中小企業診断士に約200時間で合格。2023年、二次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。

二次試験対策メルマガ講座【無料】

目次

MBAと中小企業診断士

まずはMBAと中小企業診断士がそもそも何なのかを話します。

MBAとは

MBAはMaster of Business Administratioの略で、日本では「経営学修士号」や「経営管理修士号」と呼ばれます。MBAは経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位であり、資格ではありません。

中小企業診断士とは

中小企業診断士は、企業経営に関する助言・診断を行う「経営コンサルタント」で唯一の国家資格です。中小企業診断士試験に合格し、実務補修、登録などの手続きを経て名乗れるようになります。

【参考】中小企業診断士ってどんな資格?概要や難易度を解説

MBAと中小企業診断士の共通点

MBAと中小企業診断士は、いずれも経営の知識を学ぶ点が似ています。グロービス経営大学院によると、MBAの主な学習範囲は以下の3領域です。

  • 人事組織
  • マーケティング・戦略
  • 会計・財務

中小企業診断士は上記に加えて以下のような領域も勉強します。

  • 経済学・経済政策
  • 運営管理
  • 経営法務
  • 経営情報システム
  • 中小企業経営・中小企業政策

中小企業診断士は広く浅く、MBAは経営の根幹部分に特化して学ぶイメージです。

MBAと中小企業診断士の違い

ここからはMBAと中小企業診断士の違いを解説します。

学位か資格か

前述の通りMBAは学位です。一度取得したら、何もしなくても一生消えることはありません。

中小企業診断士は国家資格です。登録した後も、5年に一度の更新(研修の受講、実務への従事)を行わないと資格を維持できません。

学び方

MBAは座学に加え、ケーススタディなどの実践的なカリキュラムも用意されています。同期とチームを組み、アウトプットの機会が多い点が特徴です。

中小企業診断士は座学のみです。予備校や通信講座の講義を聞き、過去問を解くのが主な勉強です。知的好奇心が刺激されるのはMBAでしょう。

費用

費用は中小企業診断士の方が圧倒的に安いです。

国内MBAの学費は120万円〜400万円です。教育訓練給付制度を使えば多少は補助が出ますが、それなりのお金がかかります。

中小企業診断士の教材費は5万円〜30万円ほど。今は通信講座が充実し、5万円程度でもプロの講義を受けられる時代になりました。

難易度

国内MBAの倍率は1.2倍〜1.5倍程度。願書を出せばほぼ入れる学校もあります。

それに対し中小企業診断士の一次試験・二次試験にストレートで合格できる確率は約5.4%です。難易度は中小企業診断士の方が圧倒的に高いです。

取得後のキャリア

MBAは主にビジネスの現場で活躍することを想定しています。具体的には民間企業の経営企画部門などで働く方が多いです。

中小企業診断士のキャリアは幅が広いです。会社に勤めながら中小企業診断士として活動する「企業内診断士」という道もありますし、独立開業する方もいます。

注意

国内MBAや中小企業診断士は、外資系コンサルティング会社への就職・転職には役立ちません。コンサルティング業界では肩書きより、現時点の実力やポテンシャルを重視するからです。

»【参考】中小企業診断士の転職事情を解説

MBAと中小企業診断士はどちらを取るべきか?

ここからはMBAと中小企業診断士には、それぞれどのような方が向いているかを解説します。

MBAがおすすめな人

組織のリーダーとして、主に大企業でバリバリ働きたい人にはMBAが合っています。MBAは課題解決力、コミュニケーション能力、意思決定能力など、実践的なスキルが身につくからです。

中小企業診断士がおすすめな人

独立志向が強い人や、自分の専門領域を極めたい職人気質な方は中小企業診断士がおすすめです。中小企業診断士は仕事の自由度が非常に高いからです。

MBAと中小企業診断士のダブルライセンスを取る意味は?

結論から言うと、わざわざMBAと中小企業診断士の両方を取る必要はないと考えます。学位と資格で性質が異なるますし、どちらか片方だけでも経営の知識を有することは十分に示せるからです。

なお中小企業診断士の二次試験及び実務補習の代替となる「養成課程」の中には、修了と同時にMBAを取得できる機関もあります。2024年4月現在は、以下が該当します、

・法政大学
・東洋大学
・兵庫県立大学
・日本工業大学

養成過程については以下の記事でくわしく解説しています。

MBAと中小企業診断士に関するまとめ

今回はMBAと中小企業診断士について話しました。いずれも人生の貴重な時間をかけて取り組むものですから、自分が実現したいキャリアプランをよく考えて、どちらを目指すかを決めましょう。

この記事を書いた人

中小企業診断士。一橋大学を卒業後、鉄道会社、コンサルティング会社で勤務。2020年、約200時間の勉強で中小企業診断士試験に一発合格。2023年に中小企業診断士2次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。短時間で試験に合格する勉強法、マインドを発信します。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次