中小企業診断士を活かせる転職先3選|大手企業やコンサルにも行けるのか?

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中小企業診断士を目指す方にとって「中小企業診断士は転職に強い資格なのか」は重大な関心ごとでしょう。

しかしネットの情報を見ていると、色々と都合が良いことばかり書いてあって、かえって不安になるものです。

この記事では、二次試験対策に特化した個別指導塾を運営し、合格者のキャリア形成もお手伝いした経験を持つ私が、中小企業診断士の本当の転職事情を話します。ぜひ最後まで読んでください。

中小企業診断士試験に効率よく合格する勉強法を知りたい方は、本記事を読んだ後に以下の記事も読んでいただけると理解が深まるかと思います。

執筆
花月 諒(かげつ りょう)
経済産業大臣登録 中小企業診断士

通信講座と独自の二次試験解法を組み合わせた勉強法で、中小企業診断士に約200時間で合格。2023年、二次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。

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目次

【前提】中小企業診断士は転職に強い資格ではない

結論から言うと、中小企業診断士は転職に強い資格ではありません。

なぜなら、他のビジネス系国家資格と異なり、何の専門知識を持つのか、採用側に伝わりづらいからです。

中小企業診断士は経営全般の幅広い知識を持つことを示す資格ですが、裏を返すと、何かに特化したスキルがあることを示しづらい資格とも言えます。

ネット上には、中小企業診断士を活かした転職の成功事例なるものがたくさん上がっていますが、匿名のものが多く信憑性は低いです。話半分に受け止めた方が良いでしょう。

転職に活かすことを前提として中小企業診断士を目指すのはおすすめできません。その前提をご理解いただいた上で、この先を読んでください。

中小企業診断士を活かせる転職先3選

中小企業診断士の勉強で学んだことを活かせる転職先はあります。主なものを3つ紹介します。

  • 大手企業(経営企画職)
  • コンサルティング会社
  • 中小企業診断士事務所

大手企業(経営企画職)

大手企業では、経営企画部門のリソースが不足する時期(経営計画の更改、組織再編など)に、経営企画職の中途採用が行われる場合があります。

その際、中小企業診断士の保持者をプラス評価する企業もあります。実際に私がご一緒したクライアントでもそのような企業が複数ありました。

経営企画職の採用は一般の求人広告には出てこない場合が多いので、転職エージェントに登録して情報を集めましょう。

コンサルティング会社

中小企業診断士の一次試験科目「企業経営理論」や「財務・会計」などで学ぶ内容は、コンサルティング業界で働く際に最低限必要な知識と被っています。

勉強したことが多少、転職活動で役に立つでしょう。しかしコンサルティング業界は単に中小企業診断士を持っているだけでは入れない業界である点には気をつけましょう。くわしくは次章で話します。

中小企業診断士事務所

地域によっては、中小企業診断士が集まる「中小企業診断士事務所」があります。弁護士や税理士が集まる「法律事務所」や「税理士事務所」があるとの同じです。

中小企業診断士事務所は、地域の中小企業向けのコンサルティングや、補助金申請の支援などを行うことが多いです。

中小企業診断士を持っていることが比較的活かしやすい転職先です。ただし全く求人が無い地域もあります。

「中小企業診断士はコンサルティング業界への転職に有利」はウソ

ネット上には「中小企業診断士を取ればコンサルティング業界への転職に有利である」という記事が多く見受けられます。これらは広告収入ねらいのポジショントーク。というか、ただのウソです。

なぜならコンサルティング業界の採用面接で重視するのは地頭の良さや学歴であり、保有資格は評価していないからです。

実際、私もコンサルティング会社(デロイトトーマツコンサルティング)に4年間在籍した経験がありますが、中小企業診断士を持っていることが決め手で入社した人は1人も見ませんでした

またコンサルティング業界に特化した転職エージェント、ムービン・ストラテジック・キャリアの久留須親さんの著書『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』でも、以下のように語られています。

中小企業診断士は中小企業の経営の診断および経営に関する助言を行う専門家で、経営コンサルタントとしての唯一の国家資格です。しかし、直接的に評価されて採用につながることはありません。

「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本(久留須親)

コンサルティング業界への転職を目的に中小企業診断士を目指すのはおすすめできません。

それよりも、前述の『「コンサルティングファームに入社したい」と思ったら読む本』でノウハウを学んで行動する方が近道です。

中小企業診断士を活かして未経験業界への転職を成功させるコツ

中小企業診断士は資格の性質上、強みをアピールしづらいです。

「経営全般のゼネラリストです」とアピールしても、企業の中途採用では即戦力のスペシャリストが求められる場合が多く、ミスマッチになるからです。

中小企業診断士を活かして未経験の業界に転職する場合は、これまでのキャリアで培った強みにちょっとプラスする形でアピールしましょう。

また資格を取った事実そのものをアピールするのではなく、なぜ資格を取ろうと考えたか、資格を転職先のキャリアにどう活かしたいかを語りましょう。

中小企業診断士の転職事情まとめ

今回は中小企業診断士の転職事情について解説しました。最後にポイントを整理します。

  • 中小企業診断士は転職に強い資格ではない
  • 大手企業(経営企画職)、コンサルティング会社、中小企業診断士事務所に転職できる可能性はあるが、資格だけで決まることは無い
  • 「中小企業診断士はコンサル業界への転職に有利」はウソ
  • 中小企業診断士は、これまでのキャリアで培った強みにプラスする形でアピールしよう

転職に役立てるにはおすすめしませんが、中小企業診断士は、自己啓発や独立のきっかけとしては大いに役立つ資格です。

この記事を書いた人

中小企業診断士。一橋大学を卒業後、鉄道会社、コンサルティング会社で勤務。2020年、約200時間の勉強で中小企業診断士試験に一発合格。2023年に中小企業診断士2次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。短時間で試験に合格する勉強法、マインドを発信します。

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