中小企業診断士の年収はいくら?稼げないのは本当?独立後の現実を解説

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中小企業診断士を目指そうと思ったとき、まず気になるのは「中小企業診断士に受かればどれくらいの年収を稼げるのか」という点でしょう。

この記事では、中小企業診断士の二次試験対策に特化した個別指導塾を運営する私が、中小企業診断士の年収についてくわしく解説します。

この記事で分かること

・中小企業診断士の年収(統計データ)
・中小企業診断士の年収の決まり方
・中小企業診断士が年収アップする方法

中小企業診断士の年収が気になる方は、ぜひ最後まで記事を読んでください。

中小企業診断士試験に効率よく合格する勉強法を知りたい方は、本記事を読んだ後に以下の記事も読んでいただけると理解が深まるかと思います。

執筆
花月 諒(かげつ りょう)
経済産業大臣登録 中小企業診断士

通信講座と独自の二次試験解法を組み合わせた勉強法で、中小企業診断士に約200時間で合格。2023年、二次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。

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目次

中小企業診断士の年収|ボリュームゾーンは501万円~800万円

一般社団法人中小企業診断協会が実施している「中小企業診断士活動状況アンケート調査」(2021年5月公表)で、中小企業診断士の年収に関するデータが公表されています。

選択肢回答数構成比(%)
~300万円8314.3
~400万円518.8
~500万円5810.0
~800万円12421.4
~1,000万円6611.4
~1,500万円8915.4
~2,000万円396.7
~2,500万円254.3
~3,000万円162.8
3,001万円~284.8
中小企業診断士の年収
(中小企業診断士活動状況アンケート調査をもとに作成)

中小企業診断士の年収のボリュームゾーンは501万円~800万円です。平均年収や中央値もこのあたりと考えて良いでしょう。次いで1,001万円〜1,500万円が多いという結果になっています。

ただし上記は、年間で100日以上コンサルティング業務に従事している方を対象としたデータです。

普段はコンサルティングとは関係ない仕事をしている会社員は含まれない点に注意しましょう。

中小企業診断士の年収は報酬単価×工数で決まる

中小企業診断士の年収が決まる仕組みも解説します。経営コンサルタントの収入は、報酬額×工数で決まります。それぞれの要素を解説します。

報酬額

サービス提供の対価として、クライアントからいただくお金です。「稼働1日あたりいくら」と定めることが多いです。

前述の「中小企業診断士活動状況アンケート調査」(2021年5月公表)によると、平均の報酬額は以下です。

業務内容平均報酬額(千円)
診断業務98.3
経営支援業務112.5
調査研究業務89.7
講演・教育訓練業務119.0
中小企業診断士の報酬額
(中小企業診断士活動状況アンケート調査より抜粋)

業務内容にもよりますが、1日10万円前後を報酬額としている方が多いようです。

工数

クライアントへのサービス提供にかかる時間を指します。

プロジェクトの提案段階でタスクを詳細化し、各タスクの工数を積算して全体の工数を算出する場合が多いです。

仮に10万円/日で、工数が1年でちょうど100日だった場合、年間売上は10万円×100日=1,000万円となります。

中小企業診断士の年収が平均よりも高い理由

国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、2022年(令和4年)の全国の平均年収は458万円です。

中小企業診断士の平均年収が501万円~800万円程度と考えると、全国平均よりは高いと言えます。その理由として考えられるのは以下です。

  • 独立して高単価案件をこなしているから
  • コンサルティング会社勤務だから

独立して高単価案件をこなしているから

本記事で紹介した年収データは「年間100日以上コンサルティング業務に従事している方」が対象です。大半は独立しているでしょう。

独立してキャリアを積み、専門分野でスペシャリストとして認知されると報酬額もアップします。

コンサルティング勤務だから

「年間100日以上コンサルティング業務に従事している方」に含まれ、かつ独立していない方は、コンサルティング会社の社員が多いでしょう。

一般的にコンサルティング会社は給料が高いです。新卒でも500万円~600万円からスタートし、マネージャークラスになれば、どの会社でも1,000万円プレイヤーになります。

そうした方が、中小企業診断士の平均年収を押し上げていると言えます。

中小企業診断士で年収3,000万円や年収1億円は可能なのか?実体験から考える

ここからは中小企業診断士として3年ほど活動している私の実体験をまじえて話します。

私はコンサルティング業務の報酬を10万円/日に定めています。1日の稼働を7時間としているので、時給換算で14,000円くらいです。

今の単価なら、理論上は年間300日働ければ年収3,000万円に到達します。ただそれを1人で実行するのは無理でしょう。

提案活動や事務作業にも時間を取られますし、そもそも300日分もの仕事を1人で取れる気もしません。経費管理などの雑務も重いです。

これが1億円となればなおさら1人では難しいです。業務委託を行う、コンサルタントを採用・育成するなど組織化が必須になります。

逆に言えば、組織化が上手にでき、自分は提案活動にシフトできれば、売上3000万円や1億円も不可能な数字ではないのでしょう。

実際、前述の年収データを見ても、年収3,001万円以上の方が4.8%います。その域に到達してみたいものです(笑)

中小企業診断士が年収アップを実現する方法

中小企業診断士を取って年収をアップさせるには、以下が重要です。

  • 独立する
  • 専門分野を作る
  • 自動化&外注の活用

独立する

会社員のまま中小企業診断士を続けても、あまり年収は増えません。せいぜい月1~2万円程度の資格手当がもらえるくらいです。

年収アップを目指すなら、まずは独立することが前提となります。

専門分野を作る

「経営全般をサポートします」では、何に特化しているかが顧客に伝わらず、仕事が取れません。

中小企業診断士として独立するなら、強みとなる専門分野が必要です。

私はWeb媒体(SNS、ブログ、YouTubeなど)を活用したマーケティング支援を専門にしています。

自動化&外注の活用

経営コンサルティングは労働集約型のビジネスです。普通にやっていると自分の時間を切り売りするしかなく、年収が頭打ちします。

そのため、Web媒体を活用して集客~顧客の育成を自動化して営業の工数を削減する、定型的な業務を外注して自分は付加価値の高い仕事に注力するなどの工夫が、年収アップには必須です。

中小企業診断士の年収に関するまとめ

この記事では、中小企業診断士の年収について解説しました。最後に要点を整理します。

  • 中小企業診断士の年収のボリュームゾーンは501万円〜800万円。ただしその大半は独立・開業している人と考えられる点に注意
  • 中小企業診断士の収入は報酬額×工数で決まる。報酬額の平均は1日10万円前後
  • 独立して専門分野を作り、自動化や組織化が上手くいけば年収3000万円や1億円も到達は可能

この記事を書いた人

中小企業診断士。一橋大学を卒業後、鉄道会社、コンサルティング会社で勤務。2020年、約200時間の勉強で中小企業診断士試験に一発合格。2023年に中小企業診断士2次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。短時間で試験に合格する勉強法、マインドを発信します。

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