中小企業診断士の勉強時間は？最速で成果を出すたった1つの思考法

2024年4月19日

中小企業診断士試験に合格するには、約1,000時間の勉強が必要と言われます。1日2時間勉強しても1年4ヶ月かかる計算です。

しかし、できるならそこまでの時間をかけずに合格したいものですね。私も以前から「1,000時間必要説」には疑問を抱いていました。

この記事では、200時間で中小企業診断士試験に一発合格し、今は二次試験対策に特化した個別指導塾を運営する私が、中小企業診断士の勉強時間について話します。

中小企業診断士試験に効率よく合格する勉強法を知りたい方は、本記事を読んだ後に以下の記事も読んでいただけると理解が深まるかと思います。

中小企業診断士の勉強時間｜1,000時間説の根拠

「中小企業診断士試験に合格するには1,000時間の勉強が必要」と言われる根拠は主に以下2つです。

内閣府が2004年に実施した『青少年の生活と意識に関する基本調査』によると、中小企業診断士の勉強時間は平均1,300時間でした。

中小企業診断士の勉強時間を調査・公開した資料は少なく、本調査は今でもよく引用されています。

予備校の多くは「1,000時間の勉強が必要」と説いています。

中には科目別の勉強時間の目安を示している予備校もあります。たとえばTACの記事では、1,000時間の内訳を以下のように解説しています。

科目別勉強時間（TACによる）

これは1,000時間という結論ありきで、それらしく時間を配分したに過ぎません。

そもそも中小企業診断士の一次試験は、受験者のキャリアや経験によって、科目ごとの勉強時間が大幅に変わります。目安の時間なるものが、そもそも存在しないのです。

断言します。中小企業診断士の勉強時間に1,000時間なんてかかりません。半分の500時間でも十分です。そう言い切れる理由は以下の2つです。

「1,000時間説」の裏付けとなっている内閣府の調査は2004年のものです。それから20年、時代は激変しました。

スマホ、SNS、YouTubeの普及で有益な情報が無料で手に入るようになり「学び」に必要な時間は大幅に短縮しました。資格試験も例外ではありません。

またAIが様々なビジネスで実用化されるようになりました。たとえば通信講座のスタディングでは、AIが学習計画を立ててくれる機能や、過去の演習結果をもとに苦手な問題を出題してくれる機能が実装されています。

これだけ「学び」が進化したのに、勉強にかかる時間が20年前と同じわけがないのです。

科目ごとに必要な勉強時間を積み重ねる思考がそもそもダメです。

ビジネスの世界では、仕事の全体感をとらえず、目先のタスクにとらわれる「積み上げ思考」は悪とされています。

資格試験の勉強もそれと同じです。何の仮説も立てず、予備校が言う勉強時間を鵜呑みにして勉強しても成果は出ません。

プロセスを重視する日本社会の悪習慣のせいか、受験者のほとんどは「積み上げ思考」の持ち主です。だからこそ「逆算思考」で取り組めば、人より早く結果を出せるのです。

どのように取り組めば勉強時間を減らせるかを解説します。

結論、逆算思考がすべてです。逆算思考は、最初にゴールと現状の差を把握し、必要なタスクの仮説を立てて取り組みます。

資格試験の場合、ゴールは合格基準を超えることです。ですから最初にやるべきことは、過去問を解いて合格点と現在の実力の差を確認することなのです。

その差を埋めるために何時間の勉強が必要かの見積もりを立てて、日々の勉強に取り組む。最初に仮説を立てているので軌道修正も柔軟にできます。これが成果を出す思考です。

実際、私はこの考え方に基づいて勉強し、200時間でストレート合格しました。詳細な勉強法は以下の記事で解説しています。ぜひこちらも読んでください。

中小企業診断士。一橋大学を卒業後、鉄道会社、コンサルティング会社で勤務。2020年、約200時間の勉強で中小企業診断士試験に一発合格。2023年に中小企業診断士2次試験対策に特化した個別指導塾「レインボー」を設立。短時間で試験に合格する勉強法、マインドを発信します。