中小企業診断士に2年計画で合格する勉強法とは

中小企業診断士試験に合格するには、約1,000時間の勉強が必要と言われます。1日2時間勉強できるとしても、約1年半かかる計算です。

そのため2年かけて合格を目指す方も多いです。この記事では、中小企業診断士の二次試験対策に特化した個別指導塾を運営する私が、2年で合格を目指す勉強の進め方を解説します。

中小企業診断士｜2年計画で合格する手順

まず中小企業診断士に2年で合格を目指すプランを解説します。

1年目：一次試験のサブ4科目を攻略

1年目は一次試験7科目のうち、以下4科目の科目合格を目指します。

• 経済学・経済政策
• 経営法務
• 経営情報システム
• 中小企業経営・中小企業政策

科目合格とは「一次試験で60点以上取れた科目は、2年先まで受験を免除（60点としてカウント）できるよ」という制度です。

メイン3科目は二次試験との関連が深いため、二次試験合格を目指す2年目に回す方が合理的です。

ただしほとんどの予備校や通信講座は「財務・会計」か「企業経営理論」から学ぶカリキュラムが組まれています。合理的ではあるものの、サブ4科目から勉強しづらい場合が多いです。

2年目：一次試験のメイン3科目＋二次試験を攻略

2年目は一次試験の残り3科目と二次試験合格を目指します。

スケジュールに余裕があれば、年明けの1月～3月ごろに二次試験の過去問を少し解いておきましょう。問題の形式に慣れ、一次試験終了後の勉強を進めやすくなります。

二次試験対策については中小企業診断士二次試験対策完全ガイドもご覧ください。

中小企業診断士｜2年計画が失敗する理由3つ

私は2年計画での勉強をおすすめしていません。なぜなら、2年計画の勉強は以下の理由により失敗しやすいからです。

①モチベーションを維持できない

2年は非常に長い時間です。やってみると分かりますが、モチベーションを維持するのは大変です。

②対策が中途半端になる

行き当たりばったりで勉強すると、全ての対策が中途半端になります。その結果、科目合格が1つも取れないこともあります。

合格する順番をしっかり考えましょう。私は「サブ4科目」→「メイン3科目」の順番をおすすめしますが、自分なりの考えがあるなら、そちらを優先してください。

③科目合格が難しい年もある

一次試験は「得意科目で苦手科目をカバーし、一発で合格する」ことが理想というか、それを前提に設計されています。

60点を取るのが非常に難しい科目がある年も多いからです。たとえば2023年の科目別合格率を見てみましょう。

上記の「合格率」は、一次試験全体には合格できなかったけど、その科目には合格できた人の割合を示しています。

経済学・経済政策（13.1%）、経営情報システム（11.4%）などは合格率が低いことが分かりますね。ハズレ年を引くと、科目合格プランはいともたやすく崩壊します。

中小企業診断士｜2年計画は上方修正しよう

今回は2年計画で中小企業診断士試験に合格する方法について解説しました。

• 2年計画で合格するなら、1年目に一次試験サブ4科目、2年目に一次試験メイン3科目＋二次試験合格を目指すのが効率的
• 2年目は早期（年明け～春）に二次試験対策を少しやっておくと、余裕を持って勉強できる
• ただし科目合格狙いにはリスクもある（60点を取るのが難しい科目がある年も多い）

実際には2～3年かけて中小企業診断士に合格する人が多いのですが、私はまずは一発合格を目指すことをおすすめします。

効率よく取り組めば、巷で言われる1,000時間の勉強は必要ありません。くわしくは中小企業診断士の勉強時間は？最速で成果を出す思考法を読んでください。